（６）　バレロンの化け物　：福島

福島八幡宮境内の杜に伝わる伝説です。

『バレロンの化け物』

昔、この八幡さまの境内は大きな木に囲まれ、昼でもうす暗いほどでした。

ある夜、村人がお参りにくると、「バレロン、バレロン」という声と共に背中におぶさり、頭をかじる化け物が現れました。

そこで、威勢のいい村人達が集まって、頭にすり鉢をかぶり、刀を持って退治に出かけることになりました。

夜がふけると、大きな杉の木の上からバレロンの化け物が姿を現しました。村人達は、それぇーとばかりに跳びかかり、大格闘のすえ、やっとのことで化け物を退治することができました。

退治した化け物を村へ引きずって帰り、よくよく見たら、とてつもなく大きな“くも”でした。

＊　＊　＊　＊　＊　＊　＊

いまは開発が進み大きく変貌し、当時の面影を顧みることはできませんが、神社のお参りの際にはこの物語を思い出し、開村当時の情景に思いをはせてみてはいかがでしょうか。

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